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子どもを不幸にする思い込み(その1)

専任アドバイザー

井阪 有希

子どもを不幸にする思い込み(その1)

「子どもの欠点や悪いところは
小さいうちに直さないと
将来、子どもが困る」
と思っていませんか?

保育現場のあるある問題を
1つ挙げると

片付けができない子に対して

自分が使ったおもちゃを
子どもたちに片付けるように
指導する場面をよく見かけました。

片付けをする力を身につけることは
子どものためになる!と
考えているからだと思います。

また
おもちゃが散乱していると、
おもちゃを踏んで怪我をすることや
歩行の邪魔になり危険だから
という理由もあります。

このように
大人は先を見通して
今すべきことを判断していますが

子どもは発達段階上、
先のことを見通す力は
まだ備わっていません。

子どもは今を生きています。

なので
怪我防止のために
おもちゃを片付けることが必要ならば、
「大人がおもちゃを片付ければいい」と
わたしは思っていましたが

「子どもの使ったおもちゃを
先生が片付けていたら

いつまで経っても
子どもたちは
自分で片付けるようにならない」
とよく指摘をされました。

でも
0歳児の子どもたちでも
おもちゃを片づけるように
言わなくても

自主的に
おもちゃを元の場所に
戻すことができるようになります。

子どもたちが
目に映す全てが学びなんです。

だから
大人が片付けをする姿を
子どもたちに見せていれば
子どもたちは
自然と学んでいってくれるのです。

《座学》
最新の発達心理学の研究では、
片付けができるかどうかは
・しつけではなく、生まれつきの要素が大きい
・片付けができないこととクリエイティブな才能には、顕著な相関関係がある
・その子が持って生まれた資質を後天的に変えようとするのは非常に困難
しかし、小さいときに片付けができなくても、大人になってから必要な場面が出てくるとできるようになることが
 わかっているらしいです。

《子育て世代の方へのメッセージ》

「きちんとさせなくては」という
大人(先生)の思いが強すぎると

子どもを
延々と叱り続けることになりかねません。

そのような
否定的な言葉を言われることで

子どもたちは
「ぼく/わたしは、ダメな子だ」
「大人(先生)は、ぼく/わたしが嫌いなんだ」と捉え
子どもたちの自己肯定感を
下げてしまいます。

そんな保育現場を目にするたびに
私は心が痛みました。

今まで当たり前に思っている思い込みを
「それって誰のため?」
「なんのためにしているのかな?」と
振り返ることで

子どもが自ら学ぶ力に気づき
子どもたちの素晴らしい力を
どんどん伸ばしてあげることが
できますよ。