専任アドバイザー
小野 京子
心理的安全性
今日は「心理的安全性」について考えてみたいと思います。とても硬い言葉ですが、ビジネス界でも話題のトピックです。「安心して自分を語り、表現できる場が大切」ということです。
私はアートセラピー(芸術療法)を30年以上実践、研究していますが、「安心して自分を出せる場、表現できる場」を作ることは、セラピーの場においてとても大切なこととして認識しています。自分の本音を語れることもそうですが、描いた絵や作品を批判されず、受け止めてもらえる場を作ることが必要となります。
そして上手下手を批判される、成績をつけられることのない場が重要です。私たちは、学校の美術や音楽の時間にさんざん評価され批判されてきました。この経験が「私は絵が下手、音痴」などと深く心に刻み込まれる原因になっています。
私の行う芸術療法は、ロジャーズ派という流派です。ロジャーズ派では、その人を「ありのまま」に受け入れます。「今のその人を丸ごと」受け入れます。ロジャーズ派は、カール・ロジャーズという人が作ったのですが、カール・ロジャーズは、カウンセリングの父と言われカウンセリングの基礎を作った人です。受容の大切さを強調した人なんです。
ロジャーズは自己受容の大切さも強調しました。今の自分を最大限受け入れること、それがこれからの成長に一番効果があります。自分のネガティブな気持ちを変えようとするのは難しいのですが、その気持ちを否定せずに受け入れると、自然に変化していきます。
なので自分の気持ちや作品を見せた時に、そのまま受け止めてもらうと、とてもほっとしますし、安心します。
さらにロジャーズ派では、絵の分析・解釈もしません。本人が自ら気づくことを一番大切にするからです。私自身は絵の分析の方法も学びましたが、やはり自分が自ら気づいたことが一番積み上がって行くと確信しています。
これはセラピーの場に限らず、最近ビジネスの場でも注目されています。つまり企業の中で従業員が、心理的安全性を感じる場(会議や上司、部下との会話)がないと、ビジネスが発展しないことが研究で明らかになっています。それどころかビジネスが思わぬ損害を受けることさえあります。
フォルクスワーゲン社の排ガス規制逃れ事件を覚えていますか?心理的安全性について書いたエドモンドソン(恐れのない組織―心理的安全性が学習・イノベーションをもたらす)によれば、フォルクスワーゲン社の当時のトップがとても支配的な人物で、社員の言うことに耳をかさず、叱りつけるばかりなので、社員が嘘をつくしかなかったというのです。
社員が率直にモノを言えないと、企業の損失を招くということですね。
心理的安全性は、セラピーの中のみでなく、様々な場で必要なものになっています。とても興味深いと感じています。関連の本が続々出版されています。
私はアートセラピー(芸術療法)を30年以上実践、研究していますが、「安心して自分を出せる場、表現できる場」を作ることは、セラピーの場においてとても大切なこととして認識しています。自分の本音を語れることもそうですが、描いた絵や作品を批判されず、受け止めてもらえる場を作ることが必要となります。
そして上手下手を批判される、成績をつけられることのない場が重要です。私たちは、学校の美術や音楽の時間にさんざん評価され批判されてきました。この経験が「私は絵が下手、音痴」などと深く心に刻み込まれる原因になっています。
私の行う芸術療法は、ロジャーズ派という流派です。ロジャーズ派では、その人を「ありのまま」に受け入れます。「今のその人を丸ごと」受け入れます。ロジャーズ派は、カール・ロジャーズという人が作ったのですが、カール・ロジャーズは、カウンセリングの父と言われカウンセリングの基礎を作った人です。受容の大切さを強調した人なんです。
ロジャーズは自己受容の大切さも強調しました。今の自分を最大限受け入れること、それがこれからの成長に一番効果があります。自分のネガティブな気持ちを変えようとするのは難しいのですが、その気持ちを否定せずに受け入れると、自然に変化していきます。
なので自分の気持ちや作品を見せた時に、そのまま受け止めてもらうと、とてもほっとしますし、安心します。
さらにロジャーズ派では、絵の分析・解釈もしません。本人が自ら気づくことを一番大切にするからです。私自身は絵の分析の方法も学びましたが、やはり自分が自ら気づいたことが一番積み上がって行くと確信しています。
これはセラピーの場に限らず、最近ビジネスの場でも注目されています。つまり企業の中で従業員が、心理的安全性を感じる場(会議や上司、部下との会話)がないと、ビジネスが発展しないことが研究で明らかになっています。それどころかビジネスが思わぬ損害を受けることさえあります。
フォルクスワーゲン社の排ガス規制逃れ事件を覚えていますか?心理的安全性について書いたエドモンドソン(恐れのない組織―心理的安全性が学習・イノベーションをもたらす)によれば、フォルクスワーゲン社の当時のトップがとても支配的な人物で、社員の言うことに耳をかさず、叱りつけるばかりなので、社員が嘘をつくしかなかったというのです。
社員が率直にモノを言えないと、企業の損失を招くということですね。
心理的安全性は、セラピーの中のみでなく、様々な場で必要なものになっています。とても興味深いと感じています。関連の本が続々出版されています。