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相手の気持ちを考える

専任アドバイザー

井阪 有希

相手の気持ちを考える

保育現場では0.1歳前後になると、
おもちゃの取り合いがよく起こります。

1歳前後の子どもは、
自分の気持ちを言葉で表現せることが難しいので
噛みつきや引っかき、叩くなどをして自分の気持ちを伝えようとします。

1歳前後の子どもが他人の気持ちを考えることは 発達上難しいのですが、

大人は自分の基準で、
噛みつかれたりや引っかかれたり叩かれた側を擁護し

「お友だちが痛くて泣いているよ」。
「ごめんなさいは?」と
相手の気持ちになって考えるように促しがちです。

しかし、私は、
なぜ噛みいたのか?
どうして引っいたのか?
何があって叩こうとしたのか?という理由を
理解してあげることの方が大切だと思っています。

なぜなら、
自分の気持ちを受け入れてもらえた体験があるからこそ、
相手の気持ちを思いやる心が育まれていくのだと思うからです。

私が1歳クラスの子どもたちに向けて絵本を読んでいる時の1コマです。

絵本にはフルーツの絵が書いていました。

私がそのフルーツの絵を摘んで食べるふりをすると、
子どもたちが「私も僕も」と絵本の周りに集まってきました。

すると一人の女の子が「ちょうだい」と言って、
私が読んでいる絵本を取りに来たと思ったら、

「ちょっと待ってね。順番ね」と言いながら、
その場に居るお友だち一人ひとりの口にフルーツを入れてあげていました。

まるで雛鳥に餌をあげている親鳥のように。